Archive for the ‘ファミリー通信(3カ月毎更新)’ Category

ヒジノ通信vol.2/名義預金 あなたは大丈夫?

2015-05-01

名義預金」という言葉を聞かれたことはありませんか。
  ご自身が子供さんやお孫さん名義でつくられた預金口座に入金し、その通帳をご自身で持っておられる状態をいいます。
  私はこの「名義預金」をされている方に実によく出会います。
 入金額の多い少ないはありますが、どのご家庭にも一つや二つの名義預金口座があるのではないかと思います。
 さてこの名義預金、いったい皆さん何のためにされているのでしょうか?
 名義預金を作られたきっかけは例えばこんなケースがあるようです。
 例えば銀行などの窓口へ行った際に、

【担当者】
 「○○さんは預金をたくさんお持ちなので、相続のことも考えて、そろそろお孫さんに分けておいてあげたらいかがでしょう。お孫さん喜びますよ」

 このように勧められたとします。 すると勧められたお客様は、

【お客様の気持ち】
 「かわいい孫たちには幾らか財産を渡してあげたい。税金もとられたくない。かといって今現金を渡すと孫たちはすぐに使ってしまうかもしれないし、自分の財産が減るのも心配。通帳を自分が持っていればお金が必要なときはいつでも引き出せるし・・・」

 そんな心境になるようです。
 この名義預金をはじめることでお客様の願いが叶うのであれば、お客様も喜ぶ、担当者も喜ぶで双方にとって良いことだと思います。
 しかしこの名義預金、お客様の思いがきちんと果たせるようになっているのでしょうか?

 もしかしたら、名義預金をつくったことで、
①将来相続税がかからない方法で
②孫にあげた(贈与できた) 
と勘違いされておられるのではないでしょうか。

 下の図をご覧ください。

 生前にあげた(贈与した)つもりだった孫1の名義預金は実は法律上、贈与されたことになっていません。
 なのでご自身が将来お亡くなりになった際、ご自身の相続財産として扱われます。
 相続財産は図のように通常法定相続人で分けられます。
 よってお客様が渡したかった孫1のものにはならないのです。
 また贈与がされていないため当然相続財産のひとつとして計算され、相続税の対象にもなります。
 このことを知らないままお亡くなりになり、天国からこの状況を見て何も出来ない自分なんて想像したくないですよね。
 ではなぜ名義預金は贈与されたことになっていないのでしょうか。
 そもそもお客様の誤解を承知で名義預金をつくらせる金融機関の担当がいるなんて考えたくないですが・・・
 贈与は次の定義にそってないと認められないのです。
《贈与の定義》
 財産を渡す人(贈与者)ともらう人(受贈者)がそれぞれ「あげる」と「もらう」の認識がないといけない。
つまりもらう人が知らないところで、あげる人が勝手につくる名義預金は贈与としても認められないのです。
 結果贈与されていないから相続財産となり、法定相続人で分けられることになったり、相続税の対象にもなるのです。
 この名義預金、本当に散見されます。
 皆さんも気をつけられてください。
 あなた自身も困らないようご両親にこのようなことがないか尋ねてみられてください。

 あわせて生命保険でも同じことが起こっています。
■契約者/ご自身
■被保険者/お孫さん
■受取人/ご自身
お孫さんがお亡くなりになるとその生命保険金をご自身が受取るというとんでもない形態になっています。
 これも生命保険というカタチの財産をお孫さんにのこしてあげたいというお気持ちで加入されたケースが多いようです。
 とても残念なことですが、これも名義預金と全く同様に贈与されておらず、ご自身の財産として将来相続財産となり、
保険の契約権が法定相続人で分けられ、そして相続税の対象として計算されることになります。
 ちなみに私はこれを「名義保険」と呼んでいます。
 
 名義預金に名義保険、
それをお持ちだったことに気づかれた方は当然ですが、びっくりされ悔しさや悲しみすらお感じのようです。しかし手遅れにならず早く気づけたため、改めて対策を打たれることが可能になっています。
 もし同じ状況であったり不安にお感じでしたら、一度私までご連絡いただけましたら個別にアドバイスさせていただきます。
今回はこのあたりで。

ヒジノ通信vol.1/相続

2015-02-01

昨年から新聞やテレビ等で「相続」が盛んに取り上げられていますがなぜでしょう?
 それは2015年1月から相続税が増税となったからです。税金のかかる人が今までの1.5倍、簡単に言えば世の中のご家庭の約4軒に1軒は相続税がかかるようになります。税理士さんはじめ相続税申告や税対策に関係する方々の仕事も当然増えることになります。税金は我々の生活に欠かせないものではありますが、出来ることならなるべくかからないように可愛い子や孫に少しでも多く遺してあげたいものですね。しかし4軒に1軒って結構多いと思われませんか?
 ここで相続の基本的なお話になりますが、相続における課題は3つあります。
【課題①】財産分割・・・思うようにモメることなく遺すにはどうしたらいいか
【課題②】納税資金・・・相続税として納める現金をどのように準備するか
【課題③】節税・・・税がかかる場合いかに払いを少なく、子孫に多く遺してあげられるか
といったものです.節税に興味のある方は結構おられます。これは先に挙げましたように宣伝広告により皆さんがある程度の情報を得られた結果、課題意識をもたれているからかなと感じています。
 一方課題①の財産分割はどうでしょう?これに関する対策の宣伝広告は課題③の節税ほど多くは見かけませんよね。これでは皆さんに課題意識が起こりにくいのは当然です。
 ここで私が最も重要と思うのは課題①の財産分割です。これは財産の大小かかわらず誰にでも該当することだからです。
 例えば永年頑張って築かれた財産をかわいい子供たちに遺してあげたことで、公平に分けられないが為に仲の良かった子供たちが離散してしまうなんてケースがよくあります。そんなこと考えたくありませんよね。
 右下家計図を見て下さい。このご一族の課題があなたにはわかりますか?
 課題はご本人の思いに対しそれが実現できるかどうかで見えてきます。ここにいる「私」の場合「全ての財産を長男に渡したい」ということですがいかがでしょうか?
 私はよく「うちの子供たちは仲がいいから大丈夫」とか「子供たちに言ってあるから大丈夫」のようなことを耳にします。果たして本当に大丈夫なのでしょうか?
まず何も準備しないままお亡くなりになった場合を考えてみましょう。
 「私」が遺した4000万の財産は家計図の○囲みの法定相続人3人で分けることになります。
遺言がなければこの3人で分割協議なる話し合いをする必要があります。
 さてこの時「私」と生前の口約束で「一男が全財産を受取る」ことを了承した二男はすんなり印鑑を押してくれるでしょうか?
 もしかしたらその時二男は以前と状況が異なり子供の教育費に追われていたり、会社でリストラに合っているかも知れません。
 だとすると二男は自分も幾らか欲しいと要求されるかも知れませんね。
 一男はこれを拒否できるでしょうか?
 実は法律では相続人に不公平が生じないよう自分の財産でも全て自由にはできなくなっています。
 法定相続人には最低限受け取れる財産割合が決まっているのです。これを『遺留分』といいます。
 「私」の相続財産の遺留分は法定相続割合の半分にあたる妻1/4・一男と二男は1/8ずつ、つまり妻は1000万・二男は500万最低限受け取れる権利があるのです。
 ですので全ての財産を一男に渡すにはこの遺留分の問題を解決しておく必要があります。
 ひょっとしたら二男は遺留分を放棄しすんなり印鑑を押してくれるかも知れません。
 ただどうなろうとそのとき「私」は天国にいてどうすることもできないのです。
 では遺留分の問題を解決する方法はあるのでしょうか?
 方法はあります。
 ただ「私」が元気なうちにご自身の課題に気づかれ対策された場合の話です。
 気づかないまま何も手が打たれず最悪の結果となるのは悲しいことです。
  もし知る機会さえあれば何らかの手を打つことができるのです。
 他にも課題はありますが今回はこのくらいにて

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