Archive for the ‘ファミリー通信(3カ月毎更新)’ Category

ファミリー通信vol.27/世間を騒がせている「贈与税と相続税の一体化」とは

2021-08-01

3か月に一度、顧問先・提携専門家・関係者の皆さんへお届けしています

今や相続税のかかる方はもちろん、そうでない方にもメジャーな生前贈与(暦年贈与)。
 かわいい子や孫へ、1月1日~12月31日まで年間110万円までは、税金がかからず渡せるというもの。
 もともと子の生活費や教育費といった扶養に関するものは、贈与に該当しないため税金はかかりませんが、それ以外の目的でお金が移転すれば、(一部の特例を除いて)夫婦間ですら贈与税が課税されることになっています。
 例えば、ご自身の将来の相続のとき、遺言で長男に1000万円を相続させるとしましょう。
 このとき相続税が100万円かかるとしたら、長男が実際に手にするのは900万円と減ってしまいます。
 しかし同じ1000万円を、生前に毎年100万円ずつ10年間贈与すれば税金がかからず渡すことができてしまうのです。
 このように年間110万円までは無税で財産が移転できるため、とくに相続税がかかる方の節税対策として利用が増えてきました。
 ここで少し相続税の仕組みを簡単に解説しますと、
 遺産総額が『基礎控除額』を超えると、その部分が相続税の対象になります。
 基礎控除額とは、3000万円+600万円×相続人の数で、例えば4人家族の父の相続の場合、相続人の数は3なので、4800万円を超える部分が相続税の対象となります。
 そして相続税の税率は、この額の大きさに応じて最低10%~最大55%となっており、相続税のかかる方は、税のかからない(もしくは相続税率より贈与税率の方が低い)範囲で贈与した方が多く渡せることになります。
 そんなわけで、年間110万円の範囲での生前贈与は、相続税の節税対策として今や定番化しています。
 ところが国が用意した生前贈与の仕組みは、相続税の節税で使ってもらうものではなく、相続まで閉じ込められている高齢者の財産を、生前に贈与されることで早く市場に流出させ、経済を活性化させることが目的でした。
 この思惑に反して、多くのケースで生前贈与が、相続税の節税だけために、通帳間の移動のみで終わってしまっているなど、目的に及ばなかったようです。
 このように、国の施策が結果的に相続税の減収を生み出していることが問題視され、欧米各国の『贈与税と相続税の関係』を参考に、生前贈与の見直しが進められているようです。
 これが今世間で『贈与税と相続税の一体化』と資産家を中心に騒がれている一件です。
 具体的に生前贈与がどう見直されるかは分かりませんが、贈与を巧みに利用しての相続税の節税は将来的に難しくなるでしょう。
 それより、あまり知られていないのですが、相続税のことより、
『大切なご家族にいかに円満に財産を継承できるか』
という相続における最重要テーマに対して、この生前贈与の仕組みが、とても有効かつ幅広い目的で使えます。
 ご家族の将来がより安心安全で有利になるように、節税だけに捕らわれず、一歩進んだ活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

ファミリー通信vol.26/いつか必ず起きる相続その時何がおきる?昨年妻に先立たれた80代男性のケース

2021-05-01

『転ばぬ先の杖』とは実に端的に言い得た教えであります。
 我々が日常生活を平穏無事に過ごしていても、いつ何が起きるか誰にもわかりません。 ましてや人はいつか必ずお亡くなりになるものです。
つまり誰にでも人生に一度必ず相続のタイミングは訪れるもので、このとき決して転ぶことがないよう『早めに杖を用意しておいてくださいね』というのが今号のお話です
 先日お会いしたのは、長年連れ添ってきた妻を昨年末に亡くされた80代の男性でした。
 妻には家事や家計の一切を任されていただけに、数か月経ったいま家の中は足の踏み場もない状態という。
 さらに不動産所得のあった妻の確定申告もしなければいけなくなりてんてこ舞いなのだだとか。
 家のどの引出しに何があるかすら分からない状態で、役所や金融機関からの問い合わせや対応に追われる日々が続いていたようです。
 そんなある日、妻が株の取引をしていた証券会社の女性担当者が訪問してきたそうで、
「奥様の相続の手続きを私にお任せください」と提示された遺産整理業務(手数料)の見積りはなんと数百万円…
 ちなみに遺産整理業務とは『遺言書の確認に始まり、家族関係や財産関係を公文書などで確認し、分割協議書の作成や預貯金の解約、不動産等の名義変更、そして10ヵ月以内の相続税の申告』そういった相続人に課せられる業務を代理手続きしてくれるものです。
 相続の手続きは複雑かつ役所や金融機関や様々な専門家と進めるため、大変な労力や時間や費用がかかります。
 提示された金額は高額だったものの、いつ終わるか分からない大変な業務を代行してくれると聞き、すぐにでも依頼したい気持ちになられたそうです。
 しかし数百万円…
 普段関わりのないことだけに、それが常識的な金額なのか判断できなかったことは言うまでもありません。
 ところで相続というのは大きな財産が動くタイミングであります。
 金融機関をはじめ亡くなられた方の担当者には、これをビジネスチャンスと捉える方もいれば、逆にネガティブに捉える方もいます。
 ちなみに今回のケースで証券会社の担当者が相続手続きを任せて欲しい本当の理由をおわかりでしょうか?
 高額な遺産整理業務の手数料もありますが、それよりは口座の解約による証券会社からの資金流出を止めること、と想定されます。
 これは銀行や保険会社においても同じことが言えそうです。
 地方銀行に預けていた預金も、生命保険の保険金も、都会で暮らす子供たちの都市銀行の預金口座に流れていきかねないのです。
 さらに金融資産だけでなく不動産についても言えそうです。
 ようやく利益が出はじめたアパート等の収益物件を、管理が面倒だからと子供たちが売却しようとしたり、相続税が払えないからと破格の安値での売却を余儀なくされたり…
 はたまた亡くなられた病院で、提携先だと紹介されそのまま搬送れた葬儀屋さんにて、
「皆さんそうされていますよ」とか「もう最期ですから」と、ご本人は望まなかったであろう高額な葬儀費用となってしまったり…
 そんな結末を数々と見て参りました。
 結論ですが『相続のタイミングは誰しも必ずやって来ること、そのとき大きな財産が動くこと、と同時に想定外の失敗が起きる危険性があること』
 これを皆さんに知っておいていただきたいと思います。
 ただご安心ください。
 心身ともにお元気なうちは準備ができます。
 残されたご家族が困らないよう、憂いなく相続を迎えるには、税・法律・金融資・不動産といった幅広い資産に対して、
①老後の安心の備え
②円満な財産分割
③相続税納税資金準備④相続税の節税
といった見地から課題を明確にすること。
 それを信頼と経験のある専門家に対策だけでなく、相続が起きたあとの手続きが完了するまでしっかりと面倒をみてもらうこと。
 これに尽きると考えます。
 先述の80代男性の今回の危機に対し水際でお守りできたことを、ご家族から非常に感謝されたことは言うまでもありません。
 ただこういったことはよくあるケースです。
 このことを皆さんに踏まえていただき、早めにご準備をされることを願っています。

 ファミリー通信vol.25/実家や山を相続放棄したい!はたして国は引き取ってくれるか

2021-02-01

 親族がお亡くなりになったことで予期せぬ財産が手に入る…
それが相続というもの。
 しかし相続財産は必ずしも望まれるものばかりではありません。
 今回はそんな相続の相続人となったAさんのお話です。
 Aさんは故郷で一人暮らしをされていた父を昨年亡くし、母は既に他界、兄弟もいないため父の唯一の相続人となりました。
 父が残した財産は実家の土地・建物と山林。 ただAさんには持ち家があり、今後実家に住んでくれる近親者も居そうにありません。
 さらに広大な山林は場所すらわからず、特に使い道もなく、どうしたらいいのかAさんは悩んでおられました。
 売却を考え不動産会社に相談したところ、資産価値がなく売れないと言われ、残念ながらそれはAさんにとって負の遺産でした。
 そこで願わくば相続放棄ができないか相談があったのです。
 バブル期に「土地の価値は上昇を続ける」という土地神話を信じ買い漁られてきた遺産は、このように子孫を困惑させているのかもしれません。
 負の財産継承については、生前から対策を検討される方は多いようですが、譲渡(売買)や贈与で所有権を移すことは出来ても、放棄することは出来ません。
 ただ相続のタイミングには相続放棄という制度があり、もしかしたら負の財産が手放せるチャンスなのかもしれません。
 しかし本当にそんな都合のいいことができるのでしょうか?
 Aさんのようなケースでは、そのまま解決策が見つからず、結局空き家となってしまうことが多いようです。
 さらに悪いのは、その後名義が変えられないまま何代か経た後に、所有者不明土地となってしまうことです。
 今や国土の20%におよぶ所有者不明土地は、誰にも処分することができない莫大な負の財産で、大きな社会問題となっています。
 ではもしAさんが、これらの財産を相続放棄したとしたら…
 そう「国庫に帰属する」つまり国のものになるとされています。
 ただ国も活用できず管理だけは必要となる土地を引き受けたり、所有者不在となり固定資産税が回収できなくなったりを、簡単に了承はしないでしょう。
 そこで国ではいま、歩み寄りの措置として次のような条件つきの相続放棄を認めることが検討されています。
【相続に関する不動産登記法・民法改正のポイント】
①土地所有権の放棄制度の創設
 権利関係に争いがないなど条件を満たす土地が限定。国が所有し相続人が固定資産税を上回る管理料を負担することとなる。
 さらに関連制度で、
➁土地に特化した財産管理制度の創設
 所在不明な人の土地の第三者による管理が可能となる。
③土地の相続登記の義務化
 相続人の一定期間内の名義変更の登記がないと過料など罰金発生。
④遺産分割協議の期限の設定
 相続開始から10年を過ぎると法定相続割合での持ち分分割確定。
 以上、不要な土地が有効活用されるための制度の発足が予定されています。
 我々はご先祖からの大切な財産のひとつである土地をいかに継承していくのか、あるいは有効活用を促すのか、元気なうちに家族と一緒に考えておく必要がありそうです。

ヒジノ通信vol.24/知らなかったら怖い 改正された遺留分制度とは

2020-11-01

昨年から配偶者居住権の新設や自筆証書遺言の保管制度の新設と、約40年ぶりに民法の相続部分の改正(相続法の改正)が順次行われてきました。
 ヒジノ通信でも第18号や第23号でとりあげさせていただきましたがご記憶にございますでしょうか。
 今回の改正はライフスタイルや家庭環境の変化により、旧来の法では不十分となっていた、とくに「妻の権利」が更に守られることとなった権利拡大が中心であります。
 その中でも昨年施行された、重要ながらも未だ十分認知されていない、
『遺留分制度の見直し』について皆さんに知っていただきたく、今号のテーマとさせていただきました。
 遺留分とは、相続が起きたとき、その相続人が受け取れる最低限の権利の割合のことを言います。
 例えば右下イラストのように、亡くなったお父さんの財産が自宅2000万円のみの場合、法定相続割合は長男・長女それぞれ1/2の1000万円ずつとなります。
 そしてこの法定相続割合の半分、それぞれ1/4の500万円が遺留分ということになります。
 ここでもしお父さんが、財産の全てである実家を長男に相続させる旨を、遺言書に書いていたとしましょう・・・
遺言書の通り実家は一旦長男のものになるのかもしれません。
 しかしここでもし長女が不満を感じ権利を主張、長男に遺留分を請求することとなったらどうでしょう?
 そうなると長男はこれを無視するわけにはいきません。
 かといって実家は分けることが出来ませんし、代わりに現金を渡そうにも、お父さんから受け取った財産に現金はありません。
 しかも長男ご自身にも、そのような大金が用意できないとしたら・・・
 ただこういったケースにおいても、一般的に行われてきた解決策がありました。
 実家の1/4(以上)の権利を長女に持たせる方法です。
 ところがこの度の法改正により、この方法では解決できない危険性が高まりました。
 さてどういうことか?
 上記のケースにおいて、従来は遺留分侵害された長女は『遺留分減殺請求権』をもって長男に遺留分を請求してきました。
 前述のように、長女も1/4(長男は3/4)と最低限の持ち分を登記することで、長男が金銭的な負担なく解決出来ていました。
しかし法改正により長女の権利は『遺留分侵害額請求権』に変わりました。
 これにより長女は遺留分侵害額を、(実家の持ち分でなく)金銭で長男に払わせることができるようになったのです。  

ヒジノ通信vol.23/長生きの時代 もしものことがいつ起きても あなたは安心ですか?

2020-08-01

 突然ですが皆さんにお尋ねします。
 ご自身にもしもの事が起きたら、その後のご自身のお身体のことや財産のことについてどうして欲しいか、ご家族と話し合っておられますでしょうか?
 例えば認知症や脳の疾患により判断能力がなくなってしまったとしたら・・・
 どこ(自宅・施設・他)で、だれ(家族・ヘルパーさん・他)のお世話になりたいですか?
 大切な財産は誰に預かって管理して欲しいですか?
 あるいはご自身がお亡くなりになってしまったとしたら・・・
 家や墓や家業はどうして欲しいですか? どの財産をだれに継いでもらいたいですか?
 このようなことは、誰しもいつ起きるか分かりません。
 ただもしそうなったとしても、ご家族が困らないよう、準備されておかれると安心ではないでしょうか。
 具体的には、まずはご家族と話し合うことが大事ですが、法律や税といった難しいことも関わってきますので、終活や相続の実務経験のある専門家に関わっていただくことがおすすめです。
 そして更に、その思いを具体的にカタチにするためには、文書や契約書として残しておく必要があります。
 エンディングノートや任意後見契約・遺言書・家族信託契約などがそれにあたります。
 皆さんはこの中で既にされているものがありますか?
 ちなみに僕は手書きで遺言書を作成しています。
 内容についてはお伝え出来ませんが、今僕が亡くなったら、遺言執行の手続きを誰にしてもらい、誰にどの財産を継いでもらいたいのか、一枚の紙に簡単に書いています。
 この僕が作成した遺言書ですが、実はこれまで書斎の二番目の引出しの奥にひっそりと置いてありました。
 しかしこのたび、相続法の改正により始まった『自筆証書遺言書保管制度』を利用してみることにしました。
 専門家として経験しておきたかったのが主たる目的です。
 ただ自筆証書遺言書であれば、書斎の引出しにしまうより、法務局で保管してもらった方が安心だと感じたのは事実です。
 実際にその違いはおおよそ左表のような内容になっています。

ヒジノ通信vol.22/新型コロナウィルス 不安は絶大ですが だからこそ今なにをすればいいの

2020-05-01

2020年1月某国で発生したとみられる新型コロナウィルスは、またたく間に世界中に広まり、3か月経った今もなお感染の勢いが衰えない状況です。
 医療崩壊を防ぎ一刻も早く終息させるため、政府は全国に緊急事態宣言を発令、我々は不要不急の外出の自粛を余儀なくされています。
 これにより子供たちは休校で自宅待機、お勤めの方は交代制や自宅勤務に、そして飲食店をはじめ自営業は営業時間の短縮や休業・廃業に追い込まれ、経済的に大変な状況となっております。
 さて皆さんは朝から晩までコロナが話題のニュース番組をみられてどうお感じでしょうか?
 あくまでも私の個人的見解ですが・・・
 こういう状況ではあるものの、かと言ってあまりにも必要以上にマスコミが煽りすぎてはいないでしょうか。
 もと広告宣伝業界にいた私としては、見ていると気持ちが滅入るだけの各局のニュースに、これが一部の層に莫大な利益をもたらしているのではとさえ考えてしまうのです。
 確かにこのウィルスは感染力の強さや、治療やワクチンの未開発、重症患者のための病床数の不足など怖い部分や見えない部分は多々あります。
 ただ一方我々には日々の生活があります。
 一家の大黒柱にとって経済活動は必須であり、何の援助も受けられないままずっと家に閉じ篭っているわけにはいきません。
 そもそも緊急性や重要度の高い要件があれば、動かざるを得ないわけです。
 ここで果たしてでどこまでを不要不急と捉えるかなのですが・・・
 終活や相続のご相談のなかで、こんな時だからこそご自身の死と向き合う気持ちになられる方が増えていると感じます。
 いま家族会議を開催したり遺言書や家族信託を具体的に検討される方が増えている現実をお伝えしておきたいと思います。
 人はいつどうなるか分かりません。
 自分亡きあとも、家族が争うことなく幸せに過ごして欲しい思いは誰しも持っておられます。
 このたびのコロナで、皆さんが本当に大切なことを考える時間が得られ、家族を思う気持ちが非常に高まっているように思えます。
 子や孫とご家族が三代先まで円満でいられるかどうかは、ご先祖の思いを継がれた皆さんにしかできないことです。
 このような状況においても、ご相談先からの要望で、マスクをつけ窓を全開にしての、短時間の面談に奔走される専門家の先生が私の周りにいらっしゃいます。
 皆さんにおかれましても、今与えられた時間をプラスと捉え、普段できない大事なことに費やしていただきたいと願います。
 まだまだコロナの終息は見えませんが、それだけに今この時間をどう過ごすかが、将来の明暗を分けることになりそうです。

ヒジノ通信vol.21/人生100年時代 待っているのは充実の老後か それとも・・・

2020-02-01

 ひとりでも多くの方に相続について正しく知っていただき、一軒でも多くのご家族に争いのない円満な相続を迎えて欲しい・・・ 
 そんな思いで1500日以上、毎日書き続けてきた(インターネット上の)ブログをこのたび終了させていただくこととなりました。
 諸々の理由のなかで、ブログにかけていた毎日の2時間がとても重くなっていた状況があります。
 不特定多数の方々への広く浅い情報発信より、身近で僕を必要としてくれる顧問先やご相談者への個別対応や、共に頑張っている仲間との情報共有、より役にたつ専門知識や経験の習得にもっと時間を傾けるべきだという判断に至りました。
 今やインターネットによる情報発信は外せない時代ではありますが、個別に異なる状況にむけたアドバイスやプライバシーに関わる重要なことは、やはり顔と顔を合わせてのアナログな情報交換が求められます。
 これからの時代このようなインターネットやIT(情報技術)・AI(人工知能)といったデジタルの進展は避けられず、これを我々はアナログと使い分け上手に付き合っていく必要があります。
 先日日経新聞にこんな記事が出ていました。
  黒字リストラ拡大
昨年9100人
デジタル化に着手
 好業績なのに人員削減を行う会社が増えているようです。
 昨年早期の希望退職を実施した上場会社35社のうち、6割におよぶ業績黒字会社の人員削減は、電機・製薬をはじめ中高年を中心に9000人超と前年の3倍に増えたそうです。
 会社は若手社員への給与の再配分やデジタル時代にむけた人員確保を迫られており、業績好調で雇用環境もいいうちに人員構成を見直すという動きが進んでいるということのようです。
  確かにこれからのデジタル時代にむけて、新たな人材確保や体制づくりは各社にとって急務であり、これは新入社員で年収1000万という会社が珍しくない現状が物語っています。
 会社によってはこのような専門分野に長けた人財に、相応の報酬を用意するところもあるようで、我が家の高2の息子をはじめ若い人たちが、この分野に非常に興味を示していることは言うまでもありません。
  しかし一方で、人生100年時代と言われるこれからの時代、早期退職を迫られ決意した中高年の皆さんはどうされるのでしょうか?
 しっかりと退職金が用意される大企業サラリーマンなら心配には及ばないかもしれませんが、これは一部の人ですからね。
 さらに今後、一般事務や受付、警備員やタクシー運転手といったAIに変わるたくさんの仕事が無くなると言われています。
 人生100年と言われながら、出来る仕事がどんどん狭まる高齢者はいったいどうすればいのでしょうか。

ヒジノ通信vol.20/節税対策など 相続を考える前にやっておきたい大事なこと 

2019-11-01

 皆さんはご自身の相続について、すでに何かしらの準備などされておられるでしょうか。
 まだ自分は大丈夫と思っていても、近親者の葬儀が行われたり、病気になったりと、それが考えるきっかけになったりするようです。
 しかしお亡くなりになって相続が起きるまでのことで、考えておきたい大事なことがあるのです。
 それはこれからの老後の生活のことです。
 我が家の場合、両親は私と離れて愛媛県で生活しています。   父はずっと自営業者でしたので、いま両親の収入は夫婦合わせて月に12万円ほどの国民年金だけになります。
 持ち家で住宅ローンはありませんが、固定資産税はかかるし、瓦屋根をはじめ消耗品には修理費用もかかります。
 そうしていると父が要介護認定をうけ、デイサービスに通うようになりました。
ちゃんと生活していけているのか?
限りある貯蓄を食いつぶしていっていないか?
そんなことが心配になり、改めて両親の生活の1年間の収支を確認させてもらうことにしました。
まずは父の通帳から、収入は年金のみ、支出は電気代に下水道代に携帯電話代に・・・
 ちなみにここには水道代という項目はありません。
 なぜなら実家のある愛媛県西条市には『うちぬき』という、日本名水100選に選ばれた地下水(自噴水)がほぼ各戸にあるので、水道代がかからないんですよ。
 そんな父の収支は年間数万円のプラスになっていました。
 そして次は母の通帳です。
同じく収入は年金のみ、支出は食費が中心で、収支はほぼトントンでした。
 ここで、実家の固定資産税や火災保険やデイサービスといった費用については、僕が負担しています。
 そういうことで厳密に計算すると、実はマイナスになっているのかもしれません。
 ここで少し心配なのは、ときどき父の思い付きによる大きな出費があることです。
数カ月前のことですが、勝手口のドアノブがすこし回転しにくいということで、知らない間にホームセンターの方と話を進め、ドアごと交換して、なんと数十万円も支払っていたのです。
 ドアノブだけ交換することもできたはずなのですが・・・
詐欺ではありませんが高齢になるとこんなことが起きたりします。
 金銭感覚にあまりにも現実とのギャップを感じ、この時から実家の生活費の収支については、私が定期的にみさせてもらうことにしました。
ちなみに皆さんは、ご両親の生活の現状を把握されていますか?
 思い付きの買い物ならまだしも、例えば介護施設に入るようなことになったら、毎月定額の大きな費用が生活費にプラスされることになります。 
 その時その費用は誰がどこから支払うのか、イメージや準備はできているでしょうか?
 私が終活や相続のアドバイスをさせていただく際、どんな財産がどこにどのくらいあるのか、まずここを明確にさせてもらっています。
 このために財産目録を作成するのですが、ここには預貯金をはじめ今ある財産のすべてが記載されることになります。
 しかしここでは毎月や年間の収支は見えてきません。
 先述のように生活口座の通帳の一行一行を洗い出し、今の生活の収支はプラスなのかマイナスなのか、これからどうなっていくのか、
シミュレーションします。
 そして最終的に残るであろう総財産に対して、円満な財産分割や税の問題について考えていただくため、これも見通しとして試算するようにしています。
相続税をできるだけ払いたくないとか、長男にすべて継がせたいとか、ご家族への思いは様々ですが、最も大事なのは、これからの老後の生活のことであると考えます。
 皆さんもご両親のこれからの生活について、一緒に考えてみてあげられては如何でしょうか。

ヒジノ通信vol.19/子や孫に迫る 不足する年金の具体的解決策は

2019-08-01

人生100年
2000万円不足
 今年6月4日、日経新聞に掲載された記事は衝撃でした。
 どうやら金融庁が正式に公的年金以外の資産形成を国民に促しているようですね。
 つまり日本の年金制度は破綻しているということを、言い方を変えて伝えているように聞こえてなりません。
 記事によると、男性が65歳以上・女性が60歳以上のご夫婦では、年金収入だけに頼った生活だと、毎月5万円以上の赤字となり、
 これから20年生きるとしたら1300万円、30年生きるとしたら2000万円不足すると試算しています。
あくまでもあるご家庭のモデルケースの試算ではあるのですが、
 ちなみにこの2000万円を、51歳の僕がこれから例えば65歳までに貯めていくことができるのでしょうか?
 65歳まであと14年ですから、
2000万円÷14年÷12ヶ月≒12万円
なんと月に12万円ずつ貯めていく必要があるのです。
 子育てや教育資金に出費がかさむ我々世代が、生活費の中から毎月12万円もの資金を捻出するのは至難の業ではないでしょうか。
 しかし少子高齢化という人口のバランスが変わらない限り、この問題は当分解決しそうにありません。
 それでも乗り切っていくためには、
 やはりこの問題は個人や夫婦といった世帯単位で考えるものではないのかもしれません。
 お祖父ちゃんやお祖母ちゃん、孫やひ孫も含めた一族で対処していくことも考える必要がありそうです。
 自分は生涯現役で、100歳になっても仕事を続けるから大丈夫なんて人は心配ないのかもしれませんが。
 考えるとなんだか怖くなりますね。
 いずれにしても今後直面する長生きのリスクに対して、いかにして自分たちの生活を守っていくのか、非常に大きな課題となりそうです。
 しかし現役世代のこのような環境に対して、一方でこんな現実があることをご存知でしょうか?
 ご高齢者の終活や相続のご相談において、将来子や孫に残してあげたい預貯金などの財産をお持ちの方が結構いらっしゃいます。
 ご自身では使わずに銀行預金などとして閉じ込めている状態なのですが、
 そのままご自身に相続の時が来ると、相続税がかかる方なら、税が引かれたうえで子や孫に渡すことになります。
 概算ですが、例えば相続税率が最低の10%の方なら、1000万円の預金から約100万円の相続税が引かれ、子や孫の手残りは約900万円となります。
 何もしなければ、増えないどころか、減ってしまう危険性があるのです。
 ところが生前贈与など国が認めた制度を使うことで、同じ1000万円を減らすことなく子や孫に継承することができるのです。
 この資金がそのまま将来の年金に充ててもらえることは言うまでもありません。
 もしくはこの贈与資金を原資として、子や孫が将来不足する年金のカバーを、確定年金や終身年金として受け取れる生命保険を用いて準備してあげられるとより効果的です。
 将来残してあげるつもりで閉じ込めてある資金を、このように有効活用することで、子や孫の現在の出費を抑え、且つより有利に将来の生活を守ってあげることができるのです。
 ご存知ない方は多いのですが、実はこれから相続が起きるまでの時間は有効活用できるのです。
 ただこういった仕組みを準備するためには、税や法律や金融や保険といった専門知識や経験が必要です。
 さらにその前に、親と子・祖父母と孫といった家族間で、個々の思いや将来設計について話し合い確認し合うことが重要です。
 その為には、こういった専門知識をもって、ご家族に寄り添って一緒に考えてくれる専門家いわゆるファイナンシャルプランナーの存在が適任です。
 この度の年金問題は子や孫の世代が100年時代を迎えるうえで大きな課題です。
 『自分の家族は国に頼らず自分たちで守る』
 是非そんな意識に切り替えていただき、ご一族が三代先まで円満であり続けますように、今我々でできることを進めてまいりましょう。

ヒジノ通信vol.18/配偶者を守る 民法の相続に関する部分の改正でこう変わる

2019-05-01

今年1月から来年7月にかけて、民法のなかの相続に関する部分の改正が行われるのをご存知でしょうか。
 昭和55年以来40年ぶりの大幅な見直しとなるようですが、
これは高齢化の現代に合わなくなった旧来の法が改定されるというものです。
 主な内容は大きく次の6点となります。
❶配偶者の居住権を  保護する為の方策
❷遺産分割などに関  する見直し
❸遺言制度に関する  見直し
❹遺留分制度に関す  る見直し
❺相続の効力などに   関する見直し
❻相続人以外の者の   貢献を考慮するた  めの方策
となりますが、何やら難しそうですね。
 ここで今回はその中から、❶の残された配偶者の生活を守るための新制度について、事例を用いて紹介いたします。
【事例】 
 Åさん(80歳)は妻(75歳)と2人で一戸建てに住んでいます。
 一人っ子の長男(50歳)は、(妻と折り合いの悪い)嫁と2人で市内のマンションで暮らしていました。
 そんななかÅさんは脳卒中で倒れ、突然お亡くなりになってしまいました。
 四十九日が過ぎたころ、妻と長男の間でÅさんの財産の話になりました。
 Åさんの財産は、評価額2000万円の自宅と預金1000万円の合計3000万円。
 相続人は妻と子の2人で、財産の分け方を指定する遺言書がなければそれぞれ1/2(法定相続分)ずつ、
つまり1500万円ずつを目安にÅさんの財産を分ける話し合いをすることになります。
 妻はÅさんと築いた家に、当然ながら住み続けるつもりでしたが、自宅だけで法定相続分の1/2を超えてしまっていたのです。
 かといって相手は長男だから許してくれるだろうと思っていたものの、長男は(嫁に言われてか)法定相続分の1/2の権利を主張してきたのです。
 長男が受け取る預金1000万円だけでは500万円分が不足となりますが、この分を妻が現金で渡す方法もあります。
 ところが妻はそれを用意できず、結局自宅を売却して現金に換えて分け合うこととなりました。
 そして妻は賃貸アパートでの生活を余儀なくされることになったのです。

 このように妻と折り合いの悪い嫁の存在や、法的知識のある第三者の存在により、予期せぬ展開へとつながることが、実際によく起きています。
 あるいは相続が起きたときの、子の家族の経済状態がどうかというのも影響します。
 (孫の)教育費など出費に追われ大変な状態かもしれません。
 権利のある分については貰いたいと感じるのは、誰しも自然なことかもしれません。
 そんなことにならず、夫亡き後も妻が生涯自宅に住み続けられように来年2020年4月1日から、
 『配偶者居住権』が新設されることになりました。
 この制度を利用することで、配偶者はそのまま自宅に住み続けられるようになります。
 子どもたちには、法定相続に見合う自宅の所有権が与えられますが、親が住み続ける以上売ることは難しくなります。
 ここでこの制度を利用するために知っておくべき方法があります。
【方法1】
 遺言書に、自分が亡き後も配偶者が住み続けられことを書いておく。
【方法2】
 相続が起きた後の財産分割協議で、他の相続人に自宅に住み続けることを認めてもらう。
 この2つですが、より安全で確実なために、 遺言書を準備されることをお勧めします。
 昨今は再婚者が増えており、前妻(夫)との間に子がいる場合では、後妻(夫)と子が相続人となります。
 離婚の原因が後妻(夫)であることも多く、これを子が恨んでいることで特にトラブルの発生が懸念されます。
 こういったケースでは特にこの制度の利用が有効だと考えらえます。
 ということで今回は、民法の相続に関する部分の改正(通称:相続法の改正)より、配偶者を守る新制度についてのお話でした。
 相続において、ご家族に起こる様々なリスクに備えて何をすればいいのか?
 ご家族の状況において個々に異なりますので、一度相続の専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。

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