
親が相続の話を始めると、急に子が頻繁に顔を出すようになることがあります。
また、親の外出の間に、保管通帳の位置が変わっていたり、作成途中の遺言書を誰かに見られた形跡があったり、どこか不自然な動きが起きることもあります。
さらに、親のお金の使い方に必要以上に口を出したり、相続の考え方に不満を抱き、その後は実家に寄り付かなくなる子どももいます。
こうした変化は、将来の相続で受け取る財産の多寡をめぐって兄弟間に争いが起きるなど、何らかのトラブルが生じる前触れである可能性もあります。
遺言書の内容を考える際に、子ども(相続人)へ相談するかどうかは、人によって意見が分かれるところでしょう。
親は子や孫、その家族まで含めた全体の状況を見ていますが、子どもの立場では自分の家族(配偶者や子ども)が中心で、兄弟のことまで意識が向かないことも多いのではないでしょうか。
実際、相続トラブルの多くは兄弟間で起きるというデータもあるように、相続の場面では兄弟同士が必ずしも協力的とは限りません。
親から遺言の相談を受けた子が、自分の利益を優先して考えてしまい、その結果、兄弟間で揉める可能性も想定しておく必要があります。
もちろん、逆に兄弟間で円満に話し合いが進み、良い結果につながるケースもあります。
ただし基本的には、財産の分け方を子どもが主導して決めるのではなく、親自身がしっかりと方針を定め、その考えを子どもたちに理解してもらう流れが大切だと言えるでしょう。
では、そもそも財産は子どもに残すべきものなのでしょうか。
ゼロから財産を築いた人の中には、自分が味わった苦労があったからこそ得られた達成感を、子どもにも経験してほしいと考える方もいるでしょう。
一方で、「自分が苦労した分、子どもには同じ思いをさせたくない」と願う人も多いのではないでしょうか。
では、どうすれば“財産があることで子どもが苦労しない生活”を実現できるのでしょうか。
一つの例として、特別な権利や不動産、金融資産などを保有し、そこから得られる賃料や利益で生活している、いわゆる資産オーナーのような形があります。
こうした人たちは、まさにその仕組みを実現している一例と言えるかもしれません。
親ガチャという言葉がありますが、こうした親のもとに生まれた子は、当面の生活には困らないかもしれません。
ただ筆者としては、子どもには目に見える財産よりも、考え方や経験、知識といったものを少しずつ受け継ぎ、一人の人間として生きていく力を身につけてほしいと考えています。
財産は、自分の力で築いてこそ、最も価値のあるものではないでしょうか。
さて、あなたは子どもや大切な家族に、何を残したいと考えますか。
