Archive for the ‘ファミリー通信(3カ月毎更新)’ Category
ファミリー通信vol.40/終活ってどのようなことをすればいいの?
『終活』それはご自身の老後を安心で憂いなく過ごすため、ご家族や大切な人に負担をかけないよう、身じまいにむけた準備をすること。
例えばご自身のもしもの救急のとき、持病や服用薬そしてかかりつけ医、はたまた終末期医療における尊厳死への考え方などの情報が、事前にご家族に伝えておけると安心です。
もしくはご自身が要介護や認知症になったとき、どこで誰に診てもらいたいか、あなたの思いをご家族はご存じでしょうか?
突然の脳の疾患などで、ご自身の思いが伝えられなくなってしまうと、残された人生が不本意なものになり兼ねません。
さらにこのような療養介護に費用負担が発生した場合、ご家族に迷惑をかけないように準備されているでしょうか?
ちなみに認知症などで判断能力がなくなると、預貯金が引出せなくなくなったり、自宅や賃貸アパート等の不動産の貸付や売買が出来なくなったりしてしまいます。
自宅を売却することで介護施設の入所費用を用意することも出来なくなってしまいかねません。
またID・パスワード管理で、ご自身しか知らない会員情報やネット銀行にあるお金は大丈夫ですか?
あるいは身寄りがないおひとり様においては、ご自身の葬儀や埋葬や墓じまいなど、誰がやってくれるのでしょう?
このように終活において考えるべきことや課題は尽きません。
核家族化が進んだ現代では、高齢者だけでなく、子のいない若いご夫婦なども、老後を考え、ご自身の財産管理や身元保証といった重要なことを専門家に任せたい方が増えています。
財産に関わらないこは、家族で話し合いエンディングノートなどに書き記しておくとよいでしょう。
ところが財産を動かしたり、管理を任せたり、もしくは生命に関わることは、たとえ相手が家族であっても契約書などの文書を作成しておく必要があります。
贈与契約書・信託契約書・任意後見契約書・尊厳死宣言書・遺言書といったものです。
終活や相続のことはいつか考えればいいと後回しになりがちですが、本当に必要となったときには、既に判断能力がなかったり、残された時間が足りなかったりするものです。
老後をどのように過ごしたいか、最終的に誰にどう財産を遺したいか、愛するご家族への思いが伝えられなくなる前に準備が必要です。
ちなみに遺言書は、自身の老後生活で必要な資金のことや、ご家族それぞれの今後の人生のことなど、愛情をもって熟考のうえ、誰にどう渡してあげたいかを書き記した、人生最後のラブレターであります。
確実に思いが伝えられるように早めにとりかかっておかれると安心です。
ファミリー通信vol.39/高額借入によるアパート経営 その実態とは
今回は弊社代表である私が運営しているYouTube動画『相続FPヒジノチャンネル』に以前ゲストで登場されたある会社経営者Aさん(39歳男性)の話です。
Aさんの実家の相続に関するご相談の話を進めていくなかで、Aさんが本業以外に興味深い事業をされていることが見えてきました。
銀行から多額の借入れをして賃貸アパートを建て入居者から家賃収入を得る、つまりアパート管理事業を行っていたのです。
その借入れ額はなんと2億円超、そもそも30代で何故そのような大きな借入れが可能だったのか?
それだけ借入れする魅力は何なのか?
疑問と興味は膨らみ、その賃貸経営の実情に迫ることとなりました。
なぜなら私の経験上、アパート管理事業は相続税対策を目的として始められる方が多く、実際に十分な収益が得られていなくても放置状態で、借入返済すら危ぶまれるケースも散見されるため心配になったのです。
相続税のかかる方にとっては相続税評価額の高い(=相続税が高い)土地の上に、
●銀行借入れをして
●アパートを建てる
ことで相続税が何百万円~何億円も節税できるこの手法は、たとえ事業としての収益がマイナスとなっても、相続税を大きく減らせることがメリットとなります。
ところがAさんの目的は相続税対策ではありませんでした。
Aさんの事業を実際に分析してみると、家賃収入は年間1300万円で、これに対する支出は借入返済だけで年間▲1000万円ありました。
つまり表面的な利益は300万円、ただこれはサブリース(一括借上)という特殊な賃料収入の契約により、収入はある条件のもと10年間は固定ですが、その後は約束されていません。
賃料が大きく減ることや大きな大規模修繕費用が発生することも考えられます。
それに対して借入返済は今後の金利上昇を考慮すると35年間▲1000万円より下がることは考えにくく、どこかで収支が逆転し収益がマイナスになることが想定されます。
つまり経営を続ければ続けるほどマイナスが膨らんでいく危険性がありました。
更に2億円超の借入に対して返済総額は3億5千万円超にもなるのです。
「私はどうすればいいのでしょうか?」
不安になったAさんに収益改善のための幾つかのアドバイスはさせて頂きました。
しかしそれは如何にして収益を増やすかではなく、どうやってマイナスを減らすかを考えるのが精一杯の状況でした。
世間では事業として十分な収益を出されている不動産オーナーもいらっしゃいますが、人口減少下で住宅の供給過多となっているエリアの多い我が国においては、Aさんと同様の問題を抱える方が沢山おられます。
不動産オーナーの皆さんは、今一度経営状態がどうなっているのか現状確認されることをお勧めしたいと思います。
ファミリー通信vol.38/進まない事業承継 その隠れた原因と解決策を考える
日本を代表する古都・京都には創業百年を超える老舗がなんと1500軒超もあるそうです。
この家に生まれたら家業を継ぐことが当たり前とされた時代背景もあり、何代もの一族経営者に引き継がれ発展してきたのでしょう。
このように個人事業主や企業においては、代々と事業が引き継がれてきたことで、世の中に必要とされながら、売上・利益を生み出し、従業員の生活も支えてきました。
そんな日本の経済成長を支えてきた多くの中小企業で、いま経営者の高齢化が急速に進んでいます。
日本の企業の99%をも占める中小企業において、後継者がいないため事業が継続できず廃業となってしまう『後継者問題』がいま社会問題となっています。
企業が廃業に追い込まれると、長年培ってきた技術やノウハウだけでなく、従業員の雇用も失われることとなり、企業だけでなく日本の産業にとって大きな損失です。
ただこの後継者不在の問題は、親族以外の後継者を企業の内外から探すなど、専門家の力を借りることである程度の解決策が得られるのではないでしょうか。
そもそもなぜ後継者不在となってしまうのでしょうか?
原因としては、
❶後継者候補となる 親族や社員がいない
❷後継者候補はいる が本人にその気なし
❸後継者候補はいる がまだ任せられない
といったことがあげられますが、その中でも特に多くの経営者が未解決のままであると考えられる❸の解決策は、ないものなのでしょうか?
実に筆者自身も経営者であり、仕事柄お客様を長期間サポートする責務があるため、この後継者問題は避けられません。
事業として大切なのは、お客様との約束を守ることであり、企業を大きくすることではありません。
ご満足いただけた結果として、企業が発展し従業員も守られるカタチが理想です。
会社の継続を考えると『まだ任せられない』という問題が放置されることはないのかもしれません。
ところが特に創業経営者の場合、後継者(候補)とは、能力差だけでなく事業への思いの強さも大きく異なりがちです。
そうなると多くの理由から、まだ任せられないとなるのですが、なかなかこの溝は埋まりません。
この問題をより早く解決に導く為には、後継者の成長を待つだけでなく、現経営者の発想の転換や新たな行動の開始も方法のひとつかもしれません。
例えば父から子へ継承する場合ですが、
★後継者の経営の教 育を幼少から開始
★後継者の素質や考 え方を受け入れる ★後継者と共に日常 的に現場経験する
★後継者が活躍でき る環境を創りだす
★後継者の得意分野 の事業化を考える
『絶対やると決めて本気でやればなんとかなる』ことは創業経営者の皆様は既にご経験済みのことかと。
事業を成長させる大変さはありますが、後継者にとっては継承することがそれ以上に大変なことなのかもしれません。
ファミリー通信vol.37/国が勧めるNISA 実際どんなもので どうつきあうべきか?
2024年1月ゆうちょ銀行が定期預金の利率を0.002%から0.07%に上げたことがニュースで取り上げられました。
なんと35倍!!
凄い数字ではありますが、利率0.07%とは1万円預けると年間7円の利息がつくというものです。
まだ騒ぐほどではないものの、マスコミの力を借りて景気回復のムードを盛り上げていきたい国の思惑が感じられます。
ちなみに銀行に預けておくと利息は少なくても減ることはありません。
ただ見た目で減らなくても、今後国による年2%超の物価上昇が実施されると、預金の価値は毎年▲2%ずつ目減りしていくこととなり、年間0.07%の利息では追いつきません。
このように国は景気回復と物価上昇、更にそれにともなう国民の所得増を好循環として経済の先行きを描いています。
この一方で将来の年金制度を補うために、国民が個々で老後の資金準備をすることを推奨しており、その方法も近年では『投資』を強く勧めるようになってきました。
このたびNISAが改正され、税のメリットが拡大したことはその現れであります。
NISAは、つみたて投資枠で年間120万円・成長投資枠で年間240万円まで、総額1800万円までの投資から得られる利益に課税されない仕組みです。
例えばNISA口座の投資信託に毎月10万円・年間120万円ずつ投資すると、10年間で総額1200万円(元本)ですが、これより増えた分に税はかかりません。
ただ投資信託は投資ですので、運用次第では預けた元本が減ることもあります。
つまり得られた利益は非課税ですが、利益が得られるかどうかは約束されていないのです。
しかも損がでた場合の救済措置となっている損益通算や繰越控除はNISAでは使えません。
メリットだけに捕らわれず、我々は知識をもって目的に合った商品を正しく見極め、運用を進めていく必要があります。
一方でこの運用リスクを個人が被ることなく、間に保険会社が入ることで、約束された利益を計画的に得られるのが貯蓄型の生命保険です。
保険なので、投資商品ほどハイリターンではないものの、長期間の安定した生活資金が得られます。
ハイリスク・ハイリターンの投資に対して、ローリスク・ミドルリターンなのが保険という風に理解ができます。
老後の資金準備としては他に、確定拠出年金や小規模企業共済といった方法もありますが、それぞれメリット・デメリットやご自身に合うかどうかがあります。
単なる貯蓄でなく、ご自身の目的や収入に見合うかたちで、
『いつ・どのくらい・どんな受け取り方で』といった目標を設定のうえで、税金も考慮しながら、より確実で有利な方法が選択できると安心です。
そのためには幅広い知識と経験のある、信頼できるプロにご相談されることが肝要かと思われます。
ファミリー通信vol.36/相続対策の定期点検されていますか?
昔は怖いものといえば『地震・雷・火事・オヤジ』と言われ、どの家庭においてもオヤジは厳格で怖い存在だったようですね。
そんなオヤジに『そろそろ相続のことを考えて欲しい』などとは、思っても言えるものではなかったのかもしれません。
それもそのはず、昭和22年に日本国憲法に添って民法が改正されるまでは、家は長男が継ぐという家督相続の時代。
ところが時の流れと共に状況は変わり、年齢や性別で差別されない平等相続の時代となりました。
そして昨今においては、大事な家族が困らないように、
『いかにして円満に財産を継承するか』
『どのようにより確実に家業を引き継ぐか』
『相続税の負担なく有利に遺せる方法は』
と自身の相続について子や孫と一緒に考える方が増えました。
これは国が相続や事業承継をより重要な課題ととらえた、民法や税法の改正やマスコミでの情報発信が、より多くの国民に相続を考える機会を与えたことが一つの要因かと思われます。
またスマホをはじめとするモバイル機器や、インターネットをはじめとする情報インフラが普及し進化しました。
そして得られる情報量が圧倒的に増え、
「相続が起きたらどうなる?」
といった興味深い情報が簡単に得られるようになったのも大きいでしょう。
ただ相続は民法・税法をはじめとする法律や、預貯金・保険・不動産といった財産が絡むため、幅広い知識が必要です。
それがゆえに、色々な専門家と関わりながら進める必要があります。
「うちはもう相続対策は大丈夫」と仰る方が時々おられます。
しかしそれは、個人や法人の顧問税理士の指南による税対策のみとなっているケースが多いようです。
老後の生活設計や財産管理そして円満な遺産分割といった、重要なことが手付かずとなっているのは大きな問題です。
節税だけの偏った対策が、相続人間の不公平を招いてしまい、それに気づかないまま相続を迎え大きな争いに発展することもあります。
つまり相続対策は総合的に行なうことが重要なのです。
ただ『盤石な対策を行なったからもう大丈夫』と安心できるものでもありません。
なぜならその後、実際にご自身の相続が起きるまでに、まだ時間があるからです。
その間にご自身やご家族の健康状態に変化があったり、法律の改正があったり、あるいは昨今のような市場金利の大幅な変動があったり…
そうなると当然ながら対策の見直しが必要になります。
ただ遺言書だけの作成を依頼した法律家や、節税や貯蓄目的で契約した保険担当者等から、見直しが必要なタイミングで連絡が頂けることは期待できません。
対策はやっておしまいではないのです。
相続対策も家や車と同様に、古くなって事故が起きてしまうことがないよう、定期的な点検が必要である旨をご理解いただけたら幸いです。
ファミリー通信vol.35/老後のセカンドライフ パートナーと憂いなく過ごす為には
最近あまり耳にしなくなった『婚活パーティー』
若い男女が結婚を前提に知り合うイベントとして、
人気のテレビ番組まであったほど一世を風靡したものです。
最近は手軽にスマホで利用できるマッチングアプリをはじめ、
男女の出会いの機会も多様化しており、しかも利用者も若い方々ばかりではないようです。
長生き時代がゆえに、離婚や死別による高齢独身者は増えており、
孤独な老後を過ごしたくない・人生の最期を独りで迎えたくないといった高齢者の再婚ニーズが高まっているのだとか。
❝新たな人生の伴侶とのセカンドライフ❝
実に筆者が出合ってきたご相談者にも、
セカンドライフを満喫されているカップルはたくさんおられます。
ただ多くの方々に共通の悩みがみられます。
それは子供たちとの関係や付き合いに関する悩みです。
例えば元妻との離婚後、子どもたちと音信不通のまま年月が過ぎてしまっているケース。
話がしたいと思っても連絡先が分からなかったり、
もしくは繋がらなかったり…
父は母を見捨てて再婚したのではないかと子どもがマイナスの感情を抱いていたり…
子どもたちの気持ちが分からないが故に、
「自分の相続はどうしたらいいんでしょうか?」と思い悩まれたり、
さらに新たな伴侶も家族の一員となると、
相続人の一人となることで問題も起き兼ねず、
入籍するか否か迷われるのも当然でしょう。
一方相続だけでなく、
ご自身の高齢化による体力の低下や認知症や介護への不安もあったりします。
「もし自分に介護が必要になったらどこで誰にみてもらえばいいの?」
できれば赤の他人に全てを任せられるより、
少しでも我が子に関わってもらえたら安心ではないでしょうか。
ただ長らく会っていない間柄で都合よくそのようなお願いをするのもどうなのか…
このような老後の生活や相続における悩みは尽きません。
そしてこういったご相談に対しては場合により
★気になる子と連絡をとってみて今後のことを一緒に考えてもらう
例えば今後ご自身に必要な病院や介護施設とのやり取りや財産管理をお願いしてみる。
そしてその分相続で多めに遺してあげるような対策ができたらいかがでしょうか。
もしくは連絡することが難しくても
★自身や子どもたちが将来困ることがないように考えてみる
扶養義務のある子どもたちに、
費用負担などの迷惑をかけないことや、
相続で争いがおきないよう準備ができたらいかがでしょうか。
新たな伴侶の存在も含めて、
子どもたちとどう関わるか或いは関わらないか…
法律家をはじめ専門家の力を借りながら一緒に考え準備ができたら、
不安は解消されるのではないでしょうか。
このようにセカンドライフは自身を取り巻く環境が変わるため、
改めて考えるべきことがあるのを我々は知っておく必要があります。
人生100年時代において、
今後こういった悩みを抱える高齢者は益々増えると考えられます。
ちょっとした勇気をもって子どもたちと話し合えたり、
専門家に相談することで、
家族関係が改善したり、
知らなかった知識や有益なアドバイスが得られ、
今後憂いなく過ごせる環境が得られます。
セカンドライフをお過ごしの皆さん、
この機会にお互いの家族のことについて、
パートナーの方と一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
ファミリー通信vol.34/大事な相続のこと あなたは誰に相談されますか?
「誰に相談したらいいのかわからない…」
このように相続に関して相談する相手がいないという声をよく耳にします。
それもそのはず、相続は一生に何度も経験できることではありませんし、他人に言いにくい家族関係や財産に関わる話ですから当然のことかもしれません。
時々プロも顔負けの勉強熱心な方もおられますが、多くの方はお困りかと感じます。
おそらく税理士・行政書士・司法書士といった士業の方に相談することなんだろうと考えるものの、専門家の知人も近くに居ない…
もしくはインターネット等で調べてみるも、どの専門家を選んだらいいのか分からない…
そして「考えるのはまだ早いからいいか」などと先延ばしとなり、そのまま相続を迎えてしまうケースも多いのではないでしょうか。
ここで一般的に相続の相談相手と考えられる専門家は、
◆税金に関することは 税理士に
◆法律に関することは 行政書士・司法書士・ 弁護士等に
◆ほか不動産・金融・ 葬儀・遺品整理・・・
にと幅広く存在します。
また医師の世界に外科・皮膚科・耳鼻科と専門分野があるように、税理士の世界にも法人税・所得税・資産(相続)税と専門分野があり、これは各々専門家においても同様であります。
これらの数ある専門家の中から自分の目的に合う専門家を探して、個別に相談していくのは、非常に現実的ではないことをご理解いただけると思います。
さらに今ご自身が気になっている心配ごとは、相続における沢山の課題のうちの氷山の一角に過ぎない可能性があります。
ではどのようなことを考えておく必要があるのでしょうか?
普段我々が相続を考えるとき、次のような視点で課題確認を行っていただいています。
❶老後のライフプラン
・安心できる長期にわ たる生活資金は準備 されているか
・介護や認知症の状態 になった際の備えは できているか
(どこで・誰に・費用は)
・判断能力が無くなる 等で凍結してしまわ ない為の財産管理の 備えはできているか
(どこで・誰に・方法は)
❷円満な遺産分割
・不平等となる特別受 益(過去の贈与)は存 在しないか
・後継者への財産集中 等による相続人間の 不平等感はないか
・相続人が最低限受取 れる権利の割合であ る『遺留分』への対 策はできているか
・遺留分を請求された 際に支払える資金は 準備できているか
❸納税資金準備
・相続税は10ヵ月以 内に現金納付となる が大丈夫か
・納税資金は確保でき ているか
・どのような方法で納 税資金を準備するか
❹節税対策
・節税対策は必要か
・贈与は税務署に指摘 されないよう正しく 成されているか
・今後改正される暦年 贈与の仕組みが有効 に使えるか等々
こういった確認項目のなかで、ご本人では気付けない誤りなど重要課題が存在する危険性が十分にあります。
このように相続で考えるべき課題は幅広く、ご自身で進めることは容易ではありません。
もし皆さんの代わりに個別に専門家とやり取りをしてくれて、全てを解決に導いてくれる方がいたらどうでしょうか?
言わばあなたの相続の窓口となってくれる『お抱えコンシェルジュ』
すべてを任せられる相続コンサルタントの役割が、今後ますます重要になっていくと考えられます。
ファミリー通信vol.33/親子三世代で一丸となって大切な資産を守る
皆さんもあの人気漫画「サザエさん」はご存じかと思います。
親子三世代が同居する、昭和の家族の日常が描かれたほのぼのとしたドラマですね。
昔はこのような家庭環境はごく普通で、子育てや家事や仕事(農業はじめ家業)など協力し合い生活してきました。
それが日本の経済構造の変化や時代の流れにより、今では親子二世代いわゆる核家族が一般的となっています。
独立して親と離れて暮らすため、住宅費が余分にかかることや、子育てや家事の協力が得られないことで、その分の生活費も余分にかかることになります。
その一方で夫婦共働きなどにより、収入とのバランスはとれてきたのかもしれません。
ところが、ここ数年で我々を取り巻く環境は大きく変化しました。
世界を巻き込む新型コロナウィルスの蔓延・ロシアとウクライナの戦争、そしてそれらが起因ともなった物価の高騰やインフレ。
しかしながらの不景気・賃金横這いが我々の生活を脅かしています。
この急激な環境変化は他人事でなく、離れて暮らす子や孫にも、じわじわと大きな負担を強いているのです。
「人生100年時代」長生きがゆえの老後の生活資金不足の問題が叫ばれるなか、我々はいかにして長期にわたり安心で豊かな生活を守ることができるかが重要な課題です。
かといえ、三世代同居の生活に戻ることは非現実的で、核家族化の現状で何ができるかを、具体的に考える必要があります。
そこで今回は、三世代にわたるご家族の財産形成・財産継承の対策において、多くの方に喜んでもらえた例を紹介いたします。
これは『離れて暮らす子や孫にかかる生活費や将来のための貯蓄について、三世代で一緒に考える』というものです。
例えば「子や孫に残してあげたい」と銀行に大きなお金を預けている方をよく見かけますが、これが実に勿体ない場合が多いのです。
預けているというより、閉じ込めているという表現が適切なのは、
◆将来これが物価高により資産価値が目減りしてしまったり
◆相続のとき多額の税金を差し引かれ子や孫の手に渡ったり
◆あげたい人の手に渡らなかったり
するからであります。
一方で子や孫といえばこんな状況も
●少ない給料から金利を支払いながら多額の住宅ローンを組んだり
●掛け捨てで全く手残りのない生命保険をかけたり
●夫婦で必死で頑張って子の教育費を支払っていたり
先の相続で渡してあげるのではなく、もし今何かしらの援助が今できるとしたら・・・
子や孫の生活が楽になるだけでなく、将来かかる税金が圧縮できたり、ご一族の財産もより多く残せたり、もしくは増やせたりも可能かもしれません。
このように、三世代にわたる皆さんの現状や思いや考え方を確認共有できることで、そしてそこに法務・税務・金融・不動産といった専門知識が加味されることで、ご一族にとって大きなメリットが生まれます。
大切な子や孫が末永く幸せであるために、皆さんが大きな力になり得るということです。
誰も予測できなかった社会情勢のなか、今すぐ始められる『親子三世代で考えてみる』対策を是非おすすめしたいと思います。
ファミリー通信vol.32/不動産オーナーに潜むリスクと考えて欲しいこと
今回は当社がこれまで様々な方の相続に携わった経験から、
『賃貸アパート等の収益不動産を所有されるオーナーや、将来所有を検討されている方々に是非知っておいて欲しいこと』をまとめてみました。
一般的に不動産オーナーとは、自宅の他に所有する土地や建物を、賃貸したり売買したりすることにより収益を得ている方をいいます。
金融機関からの借入れにより、所有する土地の上にアパートなど賃貸用建物を建てられる方も多いと思います。
土地の広さや立地にもよりますが、借入れはときに何千万円や何億円にもなるケースもあります。
そのような大きなリスクを負ってまで始める不動産事業ってどんなものでしょうか?
『一括借上げ・30年家賃保証!』
こんなキャッチフレーズをよく目にします。
たとえ借金を背負っても、保証された家賃収入で完済できるから安心と思いがちです。
お勤め先から給与をもらいながら、不労所得として家賃収入が入ってくることに魅力を感じて始められる方もいるようです。
ただオーナーの皆さんは、もともと不動産事業に興味があったというより、相続対策として始められたケースが多いのではないでしょうか。
例えば相続税がかかるくらい財産がある方も、借金というマイナスの財産が加わると、課税対象額が減り相続税が軽減されます。
さらに土地に建物が建つことで(活用しにくくなることで)、土地の評価額が下がります。
これらにより二重の節税効果が生まれます。
ただ不動産を用いた極端な節税対策には、以前より税務当局の目が厳しくなっており限界があります。
このように、不動産オーナーが保有する資産には、一般的な預貯金・生命保険・有価証券・不動産に加えて、割と大きな借金がありがちです。
ちなみに金融機関から借入れする際には、返済が滞るリスクに備えて、オーナーが所有する土地や建物に抵当権(担保)が設定されるのが一般的です。
つまり計画通りに収益が得られず返済不能となると、土地や建物を手放さざるを得なくなるのです。
このようなリスクを多くの不動産オーナーが抱えておられる現実があります。
また事業開始から年数が経過し後継者の代ともなると、建物の老朽化に伴う家賃の引下げや修繕・リフォーム費用の発生が考えられます。
そうなると多額の資金が必要となりますが、事業を管理会社へ丸投げされている皆さんは、果たして計画的に資金準備されているのでしょうか?
もし準備しないまま相続が起きてしまったら、相続人は大きな負担を強いられることになると考えられます。
このように不動産事業は単なる節税対策ではなく、長期にわたり事業を行っていく認識と覚悟が必要です。
ここで不動産オーナーの相続人の多くが、次のような不安を感じている実態があります。
①建物が古く今後どうしたらいいのか
②借金が問題なく完済できるのか
③相続税はどのくらいかかるのか
などすぐに解消できないものもあります。
こういった不安が解消されないまま相続することにならないよう、不動産オーナーの皆さんは専門家に相談するなどして、早めに解決しておく必要がありそうです。
ファミリー通信vol.31/進み続ける円安 あなたの財産は大丈夫ですか?
1ドル138円超!
ここ10年間じわじわと進んできた円安(対米国ドル)は、今年に入り一気に進み150円も視野に入ってきました。
長引く金融緩和による低金利の副作用と言えますが、
コロナからの景気回復のため金利が上げられない等で、この状況は当面続く若しくはより進む可能性もあります。
円安は海外からの観光客向けや輸出関連など一部の産業にとっては、海外の消費者が商品やサービスを安く買えるため景気回復の追い風となるでしょう。
ただ逆に日本人の海外旅行や原材料を輸入で賄う多くの産業にとっては、
価格の高騰が逆風となり、この問題が大きいとされる日本は今試練の時期かもしれません。
最近、外貨建て保険商品など、為替により毎月の支払額が変動するような金融商品に関する相談が増えました。
「このまま支払を続けて大丈夫なのか?」
「いま解約したら幾ら戻ってくるのか?」
「どのタイミングで契約したらいいのか?」
といったものが主な内容です。
過去に今より円高で購入された商品は、
円に換算すると想定以上に貯蓄額が支払額を上回っている可能性もあります。
為替が影響する金融商品等は、円安下で買いにくい一方、
昨今の海外諸国の金利上昇により積立利率が急激に上がり、非常に売れている商品も出ています。
従来進めてきた対策も、このように経済状況が大きく変化するタイミングで見直してみることも必要かもしれません。
ただ本来どんな目的でその金融商品を購入したかや、商品設計の仕組みについて改めて確認し、自身のライフプランと照らし合わせ正しく判断をすることが賢明かと思われます。
さて老後のための資産形成をはじめ、金融商品の目的は様々ですが、
自身で使いきらず最終的に残ったものは相続財産となります。
金融商品のなかでも特に生命保険を利用する場合、
保険金として指定する相続人へ相続税がかからないカタチで残すことも可能です。
ご家族など大切な方へ財産を残すことを考えた場合、その財産が継承者にとって、
●必要なもの
●価値の高いもの
●使いやすいもの
だと喜んでもらえるのではないでしょうか。
前述のように為替や市場金利がプラスにもマイナスにも作用する金融商品も一つの財産ですが、
逆に作用する金融商品や、或いは貴金属や不動産といったそのような影響をうけにくい財産もあります。
10年後や20年後がどのような世の中になっているのかは誰にもわかりませんが、
その時の状況に応じて財産構成を見直すなど的確に判断し対応していくしかありません。
ご自身のために築いた財産もいずれ後継者へ引き継がれることを考慮して、
いかに効率よく豊かな老後や安心できる相続を迎えることができるか、
長期的な視点で計画的に進めていかれることをお勧めしたいと思います。
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