日本を代表する古都・京都には創業百年を超える老舗がなんと1500軒超もあるそうです。
この家に生まれたら家業を継ぐことが当たり前とされた時代背景もあり、何代もの一族経営者に引き継がれ発展してきたのでしょう。
このように個人事業主や企業においては、代々と事業が引き継がれてきたことで、世の中に必要とされながら、売上・利益を生み出し、従業員の生活も支えてきました。
そんな日本の経済成長を支えてきた多くの中小企業で、いま経営者の高齢化が急速に進んでいます。
日本の企業の99%をも占める中小企業において、後継者がいないため事業が継続できず廃業となってしまう『後継者問題』がいま社会問題となっています。
企業が廃業に追い込まれると、長年培ってきた技術やノウハウだけでなく、従業員の雇用も失われることとなり、企業だけでなく日本の産業にとって大きな損失です。
ただこの後継者不在の問題は、親族以外の後継者を企業の内外から探すなど、専門家の力を借りることである程度の解決策が得られるのではないでしょうか。
そもそもなぜ後継者不在となってしまうのでしょうか?
原因としては、
❶後継者候補となる 親族や社員がいない
❷後継者候補はいる が本人にその気なし
❸後継者候補はいる がまだ任せられない
といったことがあげられますが、その中でも特に多くの経営者が未解決のままであると考えられる❸の解決策は、ないものなのでしょうか?
実に筆者自身も経営者であり、仕事柄お客様を長期間サポートする責務があるため、この後継者問題は避けられません。
事業として大切なのは、お客様との約束を守ることであり、企業を大きくすることではありません。
ご満足いただけた結果として、企業が発展し従業員も守られるカタチが理想です。
会社の継続を考えると『まだ任せられない』という問題が放置されることはないのかもしれません。
ところが特に創業経営者の場合、後継者(候補)とは、能力差だけでなく事業への思いの強さも大きく異なりがちです。
そうなると多くの理由から、まだ任せられないとなるのですが、なかなかこの溝は埋まりません。
この問題をより早く解決に導く為には、後継者の成長を待つだけでなく、現経営者の発想の転換や新たな行動の開始も方法のひとつかもしれません。
例えば父から子へ継承する場合ですが、
★後継者の経営の教 育を幼少から開始
★後継者の素質や考 え方を受け入れる ★後継者と共に日常 的に現場経験する
★後継者が活躍でき る環境を創りだす
★後継者の得意分野 の事業化を考える
『絶対やると決めて本気でやればなんとかなる』ことは創業経営者の皆様は既にご経験済みのことかと。
事業を成長させる大変さはありますが、後継者にとっては継承することがそれ以上に大変なことなのかもしれません。