ヒジノ通信vol.1/相続

昨年から新聞やテレビ等で「相続」が盛んに取り上げられていますがなぜでしょう?
 それは2015年1月から相続税が増税となったからです。税金のかかる人が今までの1.5倍、簡単に言えば世の中のご家庭の約4軒に1軒は相続税がかかるようになります。税理士さんはじめ相続税申告や税対策に関係する方々の仕事も当然増えることになります。税金は我々の生活に欠かせないものではありますが、出来ることならなるべくかからないように可愛い子や孫に少しでも多く遺してあげたいものですね。しかし4軒に1軒って結構多いと思われませんか?
 ここで相続の基本的なお話になりますが、相続における課題は3つあります。
【課題①】財産分割・・・思うようにモメることなく遺すにはどうしたらいいか
【課題②】納税資金・・・相続税として納める現金をどのように準備するか
【課題③】節税・・・税がかかる場合いかに払いを少なく、子孫に多く遺してあげられるか
といったものです.節税に興味のある方は結構おられます。これは先に挙げましたように宣伝広告により皆さんがある程度の情報を得られた結果、課題意識をもたれているからかなと感じています。
 一方課題①の財産分割はどうでしょう?これに関する対策の宣伝広告は課題③の節税ほど多くは見かけませんよね。これでは皆さんに課題意識が起こりにくいのは当然です。
 ここで私が最も重要と思うのは課題①の財産分割です。これは財産の大小かかわらず誰にでも該当することだからです。
 例えば永年頑張って築かれた財産をかわいい子供たちに遺してあげたことで、公平に分けられないが為に仲の良かった子供たちが離散してしまうなんてケースがよくあります。そんなこと考えたくありませんよね。
 右下家計図を見て下さい。このご一族の課題があなたにはわかりますか?
 課題はご本人の思いに対しそれが実現できるかどうかで見えてきます。ここにいる「私」の場合「全ての財産を長男に渡したい」ということですがいかがでしょうか?
 私はよく「うちの子供たちは仲がいいから大丈夫」とか「子供たちに言ってあるから大丈夫」のようなことを耳にします。果たして本当に大丈夫なのでしょうか?
まず何も準備しないままお亡くなりになった場合を考えてみましょう。
 「私」が遺した4000万の財産は家計図の○囲みの法定相続人3人で分けることになります。
遺言がなければこの3人で分割協議なる話し合いをする必要があります。
 さてこの時「私」と生前の口約束で「一男が全財産を受取る」ことを了承した二男はすんなり印鑑を押してくれるでしょうか?
 もしかしたらその時二男は以前と状況が異なり子供の教育費に追われていたり、会社でリストラに合っているかも知れません。
 だとすると二男は自分も幾らか欲しいと要求されるかも知れませんね。
 一男はこれを拒否できるでしょうか?
 実は法律では相続人に不公平が生じないよう自分の財産でも全て自由にはできなくなっています。
 法定相続人には最低限受け取れる財産割合が決まっているのです。これを『遺留分』といいます。
 「私」の相続財産の遺留分は法定相続割合の半分にあたる妻1/4・一男と二男は1/8ずつ、つまり妻は1000万・二男は500万最低限受け取れる権利があるのです。
 ですので全ての財産を一男に渡すにはこの遺留分の問題を解決しておく必要があります。
 ひょっとしたら二男は遺留分を放棄しすんなり印鑑を押してくれるかも知れません。
 ただどうなろうとそのとき「私」は天国にいてどうすることもできないのです。
 では遺留分の問題を解決する方法はあるのでしょうか?
 方法はあります。
 ただ「私」が元気なうちにご自身の課題に気づかれ対策された場合の話です。
 気づかないまま何も手が打たれず最悪の結果となるのは悲しいことです。
  もし知る機会さえあれば何らかの手を打つことができるのです。
 他にも課題はありますが今回はこのくらいにて

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