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財産継承とは
財産継承といえば一般的に、不動産・預貯金・有価証券・生命保険といった財産が、贈与や相続により継承されることを言います。
ご先祖や親から受け継がれた財産も、ご自身で築かれた財産も、残ったものは次の世代へと引き継がれることとなります。
出来るだけ後継者に喜んでもらえる円満で有利な財産継承が実現できたらいいのですが、そのためには次の3つの観点において課題の診断と対策の検討を行っておく必要があります。
- 円満な遺産分割
- 相続税の納税資金準備
- 相続税の節税
世間ではいかに税金を払わなくて済むかがフォーカスされているようですが、それよりも重要なのは「いかに円満に財産を分けられるか」であると当社は考えます。
長男がすべての財産を引き継ぐ長子継承の時代と違い、現在は相続人に法定相続割合が設定されている平等分割の時代です。
ずっと親の介護のお世話をした子も、親に反発して葬儀にも顔を出さなかった子も、いずれも同じ割合で遺産を受け取れる権利があります。
遺言など何も準備しないままお亡くなりになると、子どもたちは『遺産分割協議』という財産の取り分を決める話し合いをすることとなりますが、親が居なくなった状況で果たして話し合いはうまく進むのでしょうか?
もし遺産分割協議がこじれてしまい、裁判所を巻き込む争いに発展してしまったら、大切なご家族が離散してしまうだけでなく、遺産の2~3割にもなると言われている高額な弁護士費用、そして何年も裁判所を往復する苦痛な日々が待っています。
それにより残されたご家族が大きな精神的・費用的・時間的なマイナスを負うこととなります。
【遺留分の問題】
たとえば家業の後継者となる長男に、自宅・預貯金・会社の土地・自社株といったほぼ全ての財産を継承したいといったご要望がよくあります。
しかし他の相続人にも最低限受け取れる権利のある財産割合(遺留分)があるのをご存知でしょうか。
2019年の民法改正により遺留分を請求されたとき、遺留分を侵害した者が侵害額相当を金銭で支払うことが義務化されました。
つまりそうなると長男は遺留分相当の現金を用意しないといけません。
では具体的にその遺留分の金額はいくらになるのか?
親から受け取る遺産のなかから支払うことは出来るのか?
もし支払えなかったらどうなるのか?
これは事前にご本人の家族関係や財産内容を確認することである程度明確となります。
財産継承の手法
財産継承の一般的な方法として、まだお元気なうちであれば贈与・譲渡(売買)・交換など、相続のタイミングであれば遺言・遺贈・死因贈与など、現在から相続が起きた後まで、ロングスパンで使える信託・生命保険などの方法があります。
ここでは財産継承の手法の一例として遺言書について紹介いたします。
【遺言書】
ご自身がお亡くなりになったとき、どの遺産を誰に渡すのか?
これを書面で指定できるのが遺言書です。
遺言書には主に自筆証書・自筆証書(法務局で保管)・秘密証書・公正証書といった形式があります。
共通する項目としては氏名・全文(どの財産を誰に)・日付・押印ですが、さてどの形式がベストなのか?
そもそも遺言書が必要かどうかはありますが、ご本人のお気持ちや家族構成や家族関係や財産内容により、それぞれの形式のメリットとメリットを比較検討したうえで選択することとなります。
ただ最も大事なのは形式を選ぶ前に遺言書に記載する内容です。
内容次第で相続人が争いになってしまうこともありますし、予期せぬ税金を支払うことになる危険性もあるからです。
そもそも遺言書を書く目的は何かしらの課題を解決するためですから、まずは前述のように3つの観点から見る課題の診断により、どんな課題があるのかを明確にすることで、遺言書の内容も自然と決まってくるということです。
財産継承におけるファミリーエージェントの役割
財産継承における課題は遺留分にはじまり多岐にわたり、法務・税務・不動産・預貯金・有価証券・生命保険と様々な専門家との協業により課題や解決策が明確となり、遺言など具体的な解決策を準備することができます。
そして最終的に相続が起きたとき、相続人は相続発生後の手続きをしないといけなくなるのですが、普段お仕事や日常生活をされている方が、法務や税務がからむ複雑な期限のある手続きを進めるのは大変なことです。
進め方次第では遺産分割協議で争いになったり、財産の分け方次第では思わぬ相続税を負担しなくてはいけなくなったりと、相続人だけで進めるのは危険です。
でもご安心ください。
相続発生後の手続に関する業務を実務経験豊富な専門家にすべて依頼することができます。
より円満で有利な財産継承がおこなわれますよう当社が専門家と連携してサポートいたします。