皆さんはご自身やご家族の相続に不安はありませんか?
自信をもってハイと言えない方の為に、今回は相続の課題発見の方法についてお話したいと思います。
相続は❶誰が相続人で❷何が相続財産か、そしてそれをご本人が❸どうされたいのかにより課題は見えてきます。
ただご本人の気持ちは決まっていなくても、相続人と財産内容からある程度の課題は見えてきます。 まず相続人について考えてみましょう。
次の家系図は実際にご相談を受けたある方の事例です。
【相続人事例1】
ご相談者の父が亡くなられ相続が発生しました。
相続人は父の後妻と相談者の二人なのですが、二人はずっと仲が悪かっただけに財産分割の話し合いは円満に進まず、現在家庭裁判所で調停中となっています。
前妻との間に子がいる方が再婚された場合、こういった危険性がありますのでお気をつけください。
このように家族構成からある程度の課題は見えてきます。 では次のような一般的なご家族の場合はどうでしょう。
【相続人事例2】
父に続いてこの度亡くなられた母の相続人は相談者とその兄の二人でした。
遺言書はなく母が残した財産を平等に分けようと相談者は兄に提案しましたが、兄は「家計の都合で自分だけ大学に行かせてもらえなかったのは不公平で、自分が全ての財産を受取るべきだ」
と相続放棄を要求してきました。
かといって兄は父に家を建ててもらっており、話し合いに応じず相談者は困っています。
このように家族構成からは読めない「積年の思い」が争いにつながることもあります。
このような火種は、将来相続人となる子や孫と対話することで、はじめて見えてくるものではないでしょうか。
次に相続財産について考えましょう。
次の財産目録をご覧ください。
【相続財産事例1】
財産の大部分が不動産のケースです。
相続人が複数いたら、どう分ければいいのでしょうか?
長男など後継者に不動産を相続させたい場合、兄弟間に不公平が生じます。
預貯金と違い不動産は物理的に分けられません。
自宅等の不動産がもらえない他の相続人の不公平を補う為の代償金を、生命保険などで準備する対策が必要かと思われます。
【相続財産事例2】
預貯金などプラスの財産より借金のほうが大きいケースです。
相続人は相続を知って3カ月以内に相続放棄しないと、借金を引き受けることになります。
ただこの場合も必ずしも相続放棄がベストなのか、他の方法も併せて検討する必要がありそうです。
以上相続人と相続財産の事例から、相続における課題について紹介致しました。
ここで一番大事なのは、ご本人が誰に何をどう遺してあげたいかという思いです。
その思いが叶う為に、今どんな課題があるのか、一度確認されておかれるとご安心かと思います。
ご相談いつでもお待ちしています。