国会で議論されていた『贈与税と相続税の一体化』
年間110万円までの贈与が非課税となる暦年贈与のメリットが、早ければ2022年に無くなりそうだと騒がれておりましたが。。。
結局議論は持ち越しとなったようですね。
相続税対策の必要な当事者が多いであろう国会で、テッパンの節税対策を封印する議論はなかなか進みそうにないように感じますが。。。
そもそも歴年贈与における国の思惑は、相続まで閉じ込められてしまいがちな預貯金などの資産が、より早く若年層へシフトされ経済の活性化が図られることが目的であります。
日本では相続税と贈与税が別の税体系として存在しており、贈与税は相続税の累進回避(節税対策)を防止するために高い税率が設定されています。
このため相続税のかからない層にとっては、生前贈与に対し抑制的に働いている面がある一方で、高額な相続税のかかる層にとっては、財産を分割贈与することで相続税の累進回避をしながら多額の財産を移転することが可能となっている現状。
つまり多すぎず少なすぎず、自身にちょうどよい額を毎年移転していくことで大きな税対策が実現できているのです。
海外では財産移転の時期や金額に応じて異なる税率を課すことなく、すべて相続時にまとめて相続税の対象財産として計算される国もあり、今後も課税の公平性や経済活性化の両面から、議論は続けられるものとみられます。
いずれにしても、
子や孫といった大切なご家族への財産移転や継承は税金のこともありますが、いかに円満に財産を引き継いでもらい、その後の人生に役立ててもらえるかが重要ではないでしょうか。