ヒジノ通信vol.20/節税対策など 相続を考える前にやっておきたい大事なこと 

 皆さんはご自身の相続について、すでに何かしらの準備などされておられるでしょうか。
 まだ自分は大丈夫と思っていても、近親者の葬儀が行われたり、病気になったりと、それが考えるきっかけになったりするようです。
 しかしお亡くなりになって相続が起きるまでのことで、考えておきたい大事なことがあるのです。
 それはこれからの老後の生活のことです。
 我が家の場合、両親は私と離れて愛媛県で生活しています。   父はずっと自営業者でしたので、いま両親の収入は夫婦合わせて月に12万円ほどの国民年金だけになります。
 持ち家で住宅ローンはありませんが、固定資産税はかかるし、瓦屋根をはじめ消耗品には修理費用もかかります。
 そうしていると父が要介護認定をうけ、デイサービスに通うようになりました。
ちゃんと生活していけているのか?
限りある貯蓄を食いつぶしていっていないか?
そんなことが心配になり、改めて両親の生活の1年間の収支を確認させてもらうことにしました。
まずは父の通帳から、収入は年金のみ、支出は電気代に下水道代に携帯電話代に・・・
 ちなみにここには水道代という項目はありません。
 なぜなら実家のある愛媛県西条市には『うちぬき』という、日本名水100選に選ばれた地下水(自噴水)がほぼ各戸にあるので、水道代がかからないんですよ。
 そんな父の収支は年間数万円のプラスになっていました。
 そして次は母の通帳です。
同じく収入は年金のみ、支出は食費が中心で、収支はほぼトントンでした。
 ここで、実家の固定資産税や火災保険やデイサービスといった費用については、僕が負担しています。
 そういうことで厳密に計算すると、実はマイナスになっているのかもしれません。
 ここで少し心配なのは、ときどき父の思い付きによる大きな出費があることです。
数カ月前のことですが、勝手口のドアノブがすこし回転しにくいということで、知らない間にホームセンターの方と話を進め、ドアごと交換して、なんと数十万円も支払っていたのです。
 ドアノブだけ交換することもできたはずなのですが・・・
詐欺ではありませんが高齢になるとこんなことが起きたりします。
 金銭感覚にあまりにも現実とのギャップを感じ、この時から実家の生活費の収支については、私が定期的にみさせてもらうことにしました。
ちなみに皆さんは、ご両親の生活の現状を把握されていますか?
 思い付きの買い物ならまだしも、例えば介護施設に入るようなことになったら、毎月定額の大きな費用が生活費にプラスされることになります。 
 その時その費用は誰がどこから支払うのか、イメージや準備はできているでしょうか?
 私が終活や相続のアドバイスをさせていただく際、どんな財産がどこにどのくらいあるのか、まずここを明確にさせてもらっています。
 このために財産目録を作成するのですが、ここには預貯金をはじめ今ある財産のすべてが記載されることになります。
 しかしここでは毎月や年間の収支は見えてきません。
 先述のように生活口座の通帳の一行一行を洗い出し、今の生活の収支はプラスなのかマイナスなのか、これからどうなっていくのか、
シミュレーションします。
 そして最終的に残るであろう総財産に対して、円満な財産分割や税の問題について考えていただくため、これも見通しとして試算するようにしています。
相続税をできるだけ払いたくないとか、長男にすべて継がせたいとか、ご家族への思いは様々ですが、最も大事なのは、これからの老後の生活のことであると考えます。
 皆さんもご両親のこれからの生活について、一緒に考えてみてあげられては如何でしょうか。

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