ヒジノ通信vol.18/配偶者を守る 民法の相続に関する部分の改正でこう変わる

今年1月から来年7月にかけて、民法のなかの相続に関する部分の改正が行われるのをご存知でしょうか。
 昭和55年以来40年ぶりの大幅な見直しとなるようですが、
これは高齢化の現代に合わなくなった旧来の法が改定されるというものです。
 主な内容は大きく次の6点となります。
❶配偶者の居住権を  保護する為の方策
❷遺産分割などに関  する見直し
❸遺言制度に関する  見直し
❹遺留分制度に関す  る見直し
❺相続の効力などに   関する見直し
❻相続人以外の者の   貢献を考慮するた  めの方策
となりますが、何やら難しそうですね。
 ここで今回はその中から、❶の残された配偶者の生活を守るための新制度について、事例を用いて紹介いたします。
【事例】 
 Åさん(80歳)は妻(75歳)と2人で一戸建てに住んでいます。
 一人っ子の長男(50歳)は、(妻と折り合いの悪い)嫁と2人で市内のマンションで暮らしていました。
 そんななかÅさんは脳卒中で倒れ、突然お亡くなりになってしまいました。
 四十九日が過ぎたころ、妻と長男の間でÅさんの財産の話になりました。
 Åさんの財産は、評価額2000万円の自宅と預金1000万円の合計3000万円。
 相続人は妻と子の2人で、財産の分け方を指定する遺言書がなければそれぞれ1/2(法定相続分)ずつ、
つまり1500万円ずつを目安にÅさんの財産を分ける話し合いをすることになります。
 妻はÅさんと築いた家に、当然ながら住み続けるつもりでしたが、自宅だけで法定相続分の1/2を超えてしまっていたのです。
 かといって相手は長男だから許してくれるだろうと思っていたものの、長男は(嫁に言われてか)法定相続分の1/2の権利を主張してきたのです。
 長男が受け取る預金1000万円だけでは500万円分が不足となりますが、この分を妻が現金で渡す方法もあります。
 ところが妻はそれを用意できず、結局自宅を売却して現金に換えて分け合うこととなりました。
 そして妻は賃貸アパートでの生活を余儀なくされることになったのです。

 このように妻と折り合いの悪い嫁の存在や、法的知識のある第三者の存在により、予期せぬ展開へとつながることが、実際によく起きています。
 あるいは相続が起きたときの、子の家族の経済状態がどうかというのも影響します。
 (孫の)教育費など出費に追われ大変な状態かもしれません。
 権利のある分については貰いたいと感じるのは、誰しも自然なことかもしれません。
 そんなことにならず、夫亡き後も妻が生涯自宅に住み続けられように来年2020年4月1日から、
 『配偶者居住権』が新設されることになりました。
 この制度を利用することで、配偶者はそのまま自宅に住み続けられるようになります。
 子どもたちには、法定相続に見合う自宅の所有権が与えられますが、親が住み続ける以上売ることは難しくなります。
 ここでこの制度を利用するために知っておくべき方法があります。
【方法1】
 遺言書に、自分が亡き後も配偶者が住み続けられことを書いておく。
【方法2】
 相続が起きた後の財産分割協議で、他の相続人に自宅に住み続けることを認めてもらう。
 この2つですが、より安全で確実なために、 遺言書を準備されることをお勧めします。
 昨今は再婚者が増えており、前妻(夫)との間に子がいる場合では、後妻(夫)と子が相続人となります。
 離婚の原因が後妻(夫)であることも多く、これを子が恨んでいることで特にトラブルの発生が懸念されます。
 こういったケースでは特にこの制度の利用が有効だと考えらえます。
 ということで今回は、民法の相続に関する部分の改正(通称:相続法の改正)より、配偶者を守る新制度についてのお話でした。
 相続において、ご家族に起こる様々なリスクに備えて何をすればいいのか?
 ご家族の状況において個々に異なりますので、一度相続の専門家にご相談されてみてはいかがでしょうか。

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