ヒジノ通信vol.10/相続におけるもめごとは他人事ではない

「うちには相続は関係ない」
そんな風に思っておられませんか?
今回はごく普通のご家族にご家族にも争族が起きてしまうことを、相談事例よりお伝えしたいと思います。
ご相談者は30代男性のAさん。
家族関係は上の写真の左上にある家系図のようになっています。
昨年Aさんの祖母が亡くなられ相続が発生しました。
葬儀の翌日、叔父が持ってきた用紙に、実印を押して印鑑証明書と一緒に送るよう指示されました。
よく分からないものに実印をつくことに不安を感じたAさんは、どうしたら良いのか僕に相談に来られました。
見るとその用紙は財産を受け取る権利を放棄する「相続放棄申述書」でした。
そこには相続財産の概要額が鉛筆書きされてありました。
Aさんはここで初めて、この用紙がどんなものか、そして自分が祖母の相続における相続人であることを知りました。
Aさんは小さい頃に母を亡くされていたので、母に代わってAさんと叔父の2人が相続人となっていたのです。
相続のことに無知な自分に、ドサクサで相続放棄させようとした叔父のことをAさんは信用できなくなりました。
そして祖母の財産を、改めてご自身で詳細に調べました。
相続人は金融機関や役所に対して(亡くなられた)被相続人の相続財産を開示させる権利があるのです。
財産調査をした結果、驚く事実が判明しました。
叔父が鉛筆書きしていたものより、大きな財産が残っていたのです。
Aさんは財産が欲しいわけではなかったのですが、叔父が許せなくなり、ご自身の法定相続割合である2分の1を要求されることになりました。
その後、話はこじれて、叔父は交渉の代理人として弁護士を立ててきました。
更に叔父は生前に祖母の世話をするために数百万円使ったなど、全く根拠のない寄与分まで請求してきたのです。
当然和解には至らず、現在家庭裁判所による調停に入っています。
このように相続人の一人のちょっとした出来心が争族に発展し、収集がつかなくなります。
もし祖母が元気なうちに、ご家族に気持ちを伝えたり、遺言書を残したりすることで、揉めることはなかったのかもしれません。
相続対策にまだ早いはありません。
ご家族のために、いつ起きるか分からない相続に今すぐ備えておかれることをおすすめいたします。

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